目立たない英雄
少し前のことであるが、「光武帝](塚本青史著)を読んだ。その後少し調べたりして感じたことはこれほどの人物がなぜ見逃されているのか?ということ。それらしい?理由を思いつくままにいくつか並べてみた。
- 起こした王朝名は「後漢」だが、その呼び方が二番煎じの印象を与える。
- 生涯が紀元前後に跨っていて何故か(私だけか?)ドサクサ紛れに皇帝になったという印象を与える。
- 実はそうではないのだが、割と楽に皇帝になったという印象を持たれているようだ。
- 群雄割拠の中から建国したのであるが、そのためかこれといったライバルの名があがりにくい。
- 日本人である私にとっては結構致命的。雲台28将をはじめとする登場人物の名前の多くが読めない..ために覚えられず..結局話の顛末がわからない。これにくらべて人気抜群の三国時代の登場人物の名前はきわめて覚えやすい。たとえば蜀の五虎大将の名前はといわれれば、関羽、張飛、趙雲、馬超、黄忠..すらすらと出てきますよね。
- 比較的欠点が少なく家庭的にも恵まれるなどハッピーエンドがかえって絵になりにくい??唐の太宗 李世民と相通ずるものがあるようだ。
(前)漢の高祖劉邦などと違って、光武帝劉秀は建国後功臣達の粛清を一切行っていない。このこと一つをとっても英傑と呼ぶにふさわしい。なのに光武帝も劉秀もキーワードにすらならないのですよ。蜀の五虎大将はもちろん劉邦までキーワードになっているというのに。